世界一アルコール度の高い日本の原酒 「日本酒は世界のどんな酒の中でも、一番アルコール度数の高い酒である。」 というと、みなさんの中には「そんな事はない。ウイスキーやブランデーの方が アルコール度数は高い。」と反論する方が大部分だと思います。 確かにウイスキーやブランデーは、日本酒のような醸造酒(ウイスキーの場合は 大麦を発酵させたビールのようなもの、ブランデーは葡萄酒)を蒸留して、 アルコール度数を人為的に高めているのです。蒸留する前の発酵液の アルコール度数は10%ににも満たないのです。一方日本酒は、市場に出るときに 調合されてアルコール度数を低めますから15~16%となっていますが、 できあがったばかりの原酒は、何と20%もあり、このアルコール度数は、 世界のどんな酒と比べても断然1位です。 では、何故日本酒はそのように高いアルコール度数が出せるのでしょうか。 その理由は日本酒を仕込むとき、原料である米、麹、水を一度に容器に入れずに、 3~4度に分けて行うのですが、これによって糖化と発酵が平行して行われ (平行複発酵)、理想的にアルコールの生成が行われるのです。 |
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名水の秘密 世界の酒の中でも、日本酒ほど水を厳しく選ぶ酒はありません。酒造好適水とは、 第一に水に鉄分などが含まれていないことで、含まれていても1リットル中に 0.05ミリグラム(0.05PPM)以下に限られます。これは、なんと五億分の一という ごく微量の存在で、このような水は滅多にありません。鉄がこれ以上あると、 酒が赤くなる(鉄と清酒成分の一部が反応して、フェリクリシンという着色物質が 生成される)ため、市場性を失わせてしまいます。第二には水が硬水で、 その無機成分の組成にリンや、カリウム、カルシウム、マグネシウムが 多いことが必要です。これらの無機成分は、発酵の時に酵母を強健に活動させて、 有害菌の侵入の余地を与えず、強く安定した発酵を行わせるために有効だからです。 以上のことを考えると、日本酒はやはり世界的に水が良いとされる日本だけで 育まれる民族の酒なのです。 |
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きき酒のポイントは三つの項目 酒を官能評価することを「きき酒」と いいますが、では具体的には酒の何を 評価するのでしょうか。 実はたった三項目しかありません。 目で色をみ、鼻で匂いを嗅ぎ、舌で味を みることにつきるのです。 日本酒の場合、まず「ききじょく」という 磁製の茶碗に酒を入れます。 この容器の底には青紺色の蛇の目模様が 二本入っていて、酒のわずかな濁りや 色がはっきりと浮き出てわかるように なっています。次にききじょくを鼻に 持っていって静かに匂いを嗅ぎ、その匂いの 性質、強弱、特徴などを鑑定します。 次に極少量を口に含み、舌の上で ころがして、こく味、味の濃淡、舌触り、 異常味の有無などを評価して、 最後にこれらを総合して採点します。 |
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日本酒をおいしく保つ貯蔵法 「酒は呼吸している」とか「生きている」などとよく言われますが、まさにそのとおりで、 貯蔵の条件や環境によって、酒そのものの品質が左右されてしまいます。 日本酒の劣化や変質は、主に温度、光、空気接触の三つの条件で決定されます。 ですから、冷暗所に保っておくのは当然です。また、開栓して、ある程度の量を飲み、 残りを再び栓をしておくのは、空気との接触による酸化現象を起こすので早く飲んで しまうか、または余った酒を小びんに移し替えて冷蔵庫に入れると、劣化は防げます。 冷蔵庫に入れないときは、小分けした小びんを新聞紙で包んでから風通しの 良いところに置くと、比較的劣化は止められます。 |
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体の中に入ったアルコールはどうなる? 飲酒すると、体内に入ったアルコールは、ほぼ全量が胃から小腸の間で吸収され、 血流にのって、体全体にいきわたります。その血中アルコールは、循環する途中で 肝臓を通りますが、そのほとんどがここで酸化されて、アセトアルデヒドと酢酸に 分解されます。この酢酸は、次に体内の種々の組織で分解をうけて、 最終的に炭酸ガスと水とになり、前者は呼気から、後者は尿や汗として排出されるのです。 |
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酒は百薬の長、万病のもと 多く飲むと酒ほど人を害するものは他にありません。酒は適度に飲んで百薬の長、 大酒して万病のもととなります。適量の酒を飲むことは、食欲の亢進やストレスの 解消、消化の促進、精神の安定と安眠に効果があり、これらのことは疲れを回復へと 導きます。この点は「百薬の長」のいわれですが、飲み過ぎが続きますと 肝機能障害、胃腸病(胃炎、十二指腸潰瘍、胃潰瘍)、心臓病、糖尿病、 肥満などを呼び、万病のもととなる体質をつくりますから、大変恐ろしいことです。 |
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肝臓にやさしい酒の飲み方 アルコールは、肝臓でその80~90%が分解されます。大量のアルコールの摂取は 肝臓にとって大きな負担となるのです。この負担が長く重くなって繰り返されると、 肝機能に大きな障害が生じます。そのため普段から栄養や睡眠を充分にとり、 この臓器に活力を与えるこが必要です。酒を全く口にしない酒無し日を週に 一、二度は設け、これを「休肝日」とすることは、肝臓にやさしい酒の飲み方です。 |
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日本酒は悪い酔いするか よく焼酎は酔いざめがよいとか、日本酒はよくないとかいわれますが、 その医学的な根拠はまったくありません。悪酔いの原因は、体内で エチルアルコールが分解されて出来たアセトアルデヒドが、神経系への刺激症状を 起こし平衡感覚の興奮を導き、それが電解質のアンバランスや脱水、虚脱感を まねくためといわれています。よく焼酎は酔いざめがよいといわれますが、 要するに飲酒量の問題です。焼酎は大半が水や炭酸水で割って飲みますから、 多く飲んだようでも、アルコール量はそう多くありません。要するに、適量のうまい酒を 気分良く、楽しく、そして味わって飲むことが悪酔いしない最良の方法です。 |
特定名称酒の品質一覧表 |
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種類 | 原材料 | 精米歩合 | 内容 | ||
特 定名称の清酒 |
吟醸酒 | 大吟醸酒 | 米、米こうじ 醸造アルコール |
50% 以下 |
吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が特に良好なもの。 |
純米大吟醸 | 米 米こうじ |
50% 以下 |
吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が特に良好なもの。 | ||
吟醸酒 | 米、米こうじ 醸造アルコール |
60% 以下 |
吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が特に良好なもの。 | ||
純米 吟醸酒 |
米 米こうじ |
60% 以下 |
吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が特に良好なもの。 | ||
純米酒 | 特別純米酒 | 米 米こうじ |
60% 以下 |
吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が特に良好なもの。 | |
純米酒 | 米 米こうじ |
70% 以下 |
香味及び色沢が特に良好なもの。 | ||
本醸造酒 | 特別 本醸造酒 |
米、米こうじ 醸造アルコール (白米量の10%以下) |
60% 以下 |
香味及び色沢が特に良好なもの。 | |
本醸造酒 | 米、米こうじ 醸造アルコール (白米量の10%以下) |
70% 以下 |
香味及び色沢が特に良好なもの。 |